日本では、平均株価として日経平均株価がよく知られています。また、米国の株価指数として、NASDAQ指数やS&P500を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ここでは、これらの株価指数とダウ平均の関係について説明します。
そもそも市場指数(インデックス)とはなにか?
市場指数とは、単純平均や加重平均など、一定のルールに基づいて選ばれた銘柄群の価格を集約したものです。この指数は、ある銘柄群の平均値を表しており、投資する際の目安となるものです。例えば、運用のスタイルとして、「パッシブ運用」や「アクティブ運用」といった方法があります。
パッシブ運用では、この指数の変動に追随することを目指します。パッシブ運用のパフォーマンスを測るにはトラッキングエラーが使われ、アクティブ運用は市場インデックスに対する超過収益率を見ます。
市場指数(インデックス)の機能
インデックスは、特定の市場、資産クラス、市場セクター、投資戦略のパフォーマンスを表すために、それを測定する証券、デリバティブ、その他の金融商品のグループまたはバスケットのことです。
そのため、インデックスは、経済指標であり、運用のパフォーマンスを測るベンチマークであり、インデックス連動型商品を作るための土台であり、リサーチや分析のためのツールとして使われます。
株式インデックスが広く知られていますが、債券やその他多くの金融商品でインデックスが公表されています。
株式市場指数(株式インデックス)
株式市場指数(株式インデックス)とは、算出者の定めた市場やルールに基づいて選出した銘柄の株価を集約した指標です。主に、銘柄群の株式時価総額に基づく加重平均で算出されています。株式市場指数(株式インデックス)には、以下のような指数があります。
日本株式:TOPIX(東証株価指数)、日経平均株価など
世界株式:MSCI World、MSCI AC Worldなど
米国株式:S&P500、ダウ工業株など
債券市場指数(債券インデックス)
債券市場指数(債券インデックス)とは、算出者の定めた市場やルールに基づいて選出した銘柄の債券価格などを集約した指標です。主に、銘柄の発行時価総額に基づいて算出されています。債券市場指数(債券インデックス)には、以下のような指数があります。
日本債券:野村BPIなど
世界債券:FTSE WGBI、Bloomberg Barclays Global Aggregate Indexなど
エマージング債券:JP Morgan ELMI+、JP Morgan EMBI Global Diversified、JP Morgan GBI-EM など
ダウ平均株価
ニューヨーク証券取引所には2,000社以上、ナスダックには3,000社以上の企業が上場していますが、ダウ平均に採用されている銘柄はわずか30社です。時価総額、知名度、投資家からの注目度など、あらゆる面で米国を代表する「優良企業」ばかりです。
ダウ平均を構成する銘柄は、米国を代表する30社。
日経平均株価の構成銘柄数は225社、ダウ平均株価の構成銘柄数は30に過ぎません。しかし、日経平均株価の時価総額は約300兆円、ダウ平均株価の時価総額は約700兆円であり、日経平均株価の方が時価総額が大きいです。
ダウ平均は、ダウ・ジョーンズ工業株価平均のことで、米国株式市場を代表する株価指数です。アメリカの様々な業種の30銘柄で構成されています。銘柄はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社によって選ばれています。ダウ平均株価、NYダウとも呼ばれます。
毎日のニュースで、日経平均株価とともに告知されているのはご存じでしょう。
指数ごとの特徴は
ナスダックは、NASDAQ株式市場に上場しているすべての企業を対象とした株式市場の指数です。この指数は、時価総額加重平均で算出されており、大企業ほど指数に与える影響が大きいことを意味しています。ナスダックは、1971年に開設されたアメリカの株式市場であり、主にベンチャー・新興企業が上場しています。
そのためナスダックには小型株も含まれており、グローバルな大企業のみが含まれるダウ平均とは異なります。
ダウ平均は株価の高い銘柄の株価の影響を受けやすく、ナスダック総合指数は時価総額の大きい銘柄の株価の影響を受けやすいということです。
S&P500は、様々な業種の大企業500社で構成されているため、一般的にダウ平均株価よりも米国証券市場全体をより良く反映していると考えられています。