魔法が解けた自社株買い、株価の押し上げ力低下-ROE影響を見極め
記事を要約すると以下のとおり。
日本株市場で企業の自社株買い発表が株価を押し上げる力が弱まっている。この傾向は企業の業績計画が市場予想を上回った場合も同様だ。 野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、これまでは増配や自社株買いの発表総額や増配企業の数は記録的な多さとなっている。 TOPIXの今年のROEは推定で8.7%と、米S&P500種株価指数の18.4%を大きく下回る。 日本企業の経営効率を改善させるため、物言う株主(アクティビスト)が果たす役割は次第に大きくなっている。住友商事、ROE12%以上を目標-新中計JapaneseStocksTrailUS,GlobalPeersinROEEstimatedROEfor2024(%)Source:Bloomberg CLSA証券ストラテジストのニコラス・スミス氏はリポートで、自社株買いと増配でため込まれた資産の吐き出しを狙うアクティビズムの高まりで、6月の株主総会は「遺恨試合」になりそうだと予想。 株価が既に大きく上昇した銘柄にとっては、大規模な株主還元策の発表当日に株価は4%以上上昇し、上場来高値の4433円を付けるまでの4年間で3倍以上となっていた。 企業の合併・買収(M&A)などの成長投資にも資金が振り向けられるかどうかも今後の焦点となりそうだ。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 魔法が解けた自社株買い、株価の押し上げ力低下-ROE影響を見極め