純木造高層ビルは脱炭素のゲームチェンジャーとなるか、大林組の挑戦
記事を要約すると以下のとおり。
横浜スタジアムに程近い一角に他では見かけないような非常に独創的な建築物がある。ポートプラス(横浜市)Source:ObayashiCorp. その中でも、昨年に完工したポートプラスはこれまでで最も野心的かもしれない。 大林組によると、ポートプラス建設時のCO2排出量は2500トン程度。まず、丸太から薄い板を切り出した後に繊維方向を平行にそろえて重ねて圧着し、強度に平準性を持たせたLVLという特殊な加工木材などが挙げられる。ポートプラスにはこの構造物が540個使われている。ポートプラス外観Source:ObayashiCorp. 格子状の外観をもつ巨大な木造建築物は比較的低層で鉄やコンクリートなどで造られた周りの建物の中で異彩を放つ存在である。足を踏み入れると、まるで波のループを駆け抜けるサーファーになったような気分だ。同程度の鉄製建築物より約3割から4割程度、総工費が増えると大林組は昨年度中に5棟を受注した。今年5月にはカリフォルニア州の技術者たちが地震を再現するために、「シェイク・テーブルという世界最大級の装置を用いて6方向への揺れに耐え得るか検証した。」原寸大の木造アパートを燃やした17年の米国の研究所による実験によれば、木が燃え始めると表面に炭化層をつくり、燃焼の速度を遅らせて木の内部を守ることが分かった。建築物の脱炭素化の観点から木造建築を後押ししている。同社によると、ポートプラスの建設に際しては政府から約3億3000万円を補助金として受け取ったという。ポートプラスに使われた1990立方メートルの木材のうち、約72%が国産で、残りはロシアやブラジルから輸入している。 ポートプラスの建設は建築家や建設業界が気候変動に対して何ができるかを示す非常に野心的な声明であり冒険である。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 純木造高層ビルは脱炭素のゲームチェンジャーとなるか、大林組の挑戦