米国やIMFに代わるのか-中国、途上国の債務危機で影響力強める
記事を要約すると以下のとおり。
世界経済への影響力を強めようと取り組んできた中国が、一世代のうちに途上国に対する世界最大の債権国となった。 中国人民銀行(中央銀行)が3兆3000億ドルに上る。 米国と中国の対立が激化する中、人民銀は影響力のある最後の貸し手へと変貌しつつある。 正確な比較は難しいが、中国の資金供給は同期間に国際通貨基金(IMF)が支出した1440億ドルを上回る。 中国による資金援助の大半は、基本的に中銀間の低金利融資である外貨スワップ協定を締結。 研究報告によれば、20年間で22カ国は融資枠を使い少なくとも1700億ドルは中国国有の銀行や企業から外国政府への融資だ。一帯一路は世界各地のインフラやその他のプロジェクトに9000億ドル近くを引き出した。 米シリコンバレー銀行(SVB)破綻の影響が大西洋を越えてクレディ・スイス・グループにまで広がる中、FRBと他の4中銀は今月、金融システムにおけるドル流動性維持の一環として、既存のスワップラインを活用。危機時に途上国が中銀の外貨準備を補強し、信用格付けの引き下げや自国通貨売りを避けるために用いているほか、政府予算に充てられることもあるという。人民銀国際局の金中夏局長は27日のオンラインフォーラムで、中国の貸し出しは「全体としての図式のほんの一部」に過ぎないと述べ、途上国の債務問題は米国など先進国の中銀が進める金融引き締めによって悪化しているとほのめかした。 今回の研究で判明したのは、各国の人民銀スワップ枠利用と対中債務水準の相関関係だ。「人民銀の資金が中国の銀行への支払いに直接充てられるかどうかは問題ではない。」中国がやって来て多くの債務を創り出したとワシントンのシンクタンクで語った。 中国の融資契約には秘密保持条項が含まれていることが多いため、各国の対中債務がどの程度なのかは、IMFが救済を要請された際に初めて分かることが多い。 はっきりしているのは、債務危機に見舞われた国々に対し中国が急速に大きな役割を果たすようになり、これまで数十年にわたり世界経済の緊急事態への対応を導いてきたシステムに代わる選択肢を提供しているということだ。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 米国やIMFに代わるのか-中国、途上国の債務危機で影響力強める