米スタグフレーションの恐れ-信用逼迫と債務上限問題、気象状況で
記事を要約すると以下のとおり。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は同国経済がリセッション(景気後退)入りを回避することができると考えている。FOMCは10会合連続で利上げを決定。 さらに議長が予想する軟着陸実現には、米経済が次の三つの大きなハードルをクリアする必要がありそうだが、いずれも今年下期(7-12月)の景気下降を示唆している。商品供給に混乱が生じて物価を押し上げれば、米金融当局にできることはあまりないかもしれない。昨年3月以降、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は事実上のゼロから5-5.25%のレンジに引き上げられた。当然の帰結 利上げが景気後退につながるダイナミクスは単刀直入だ。 換言すれば、リセッションはインフレ抑制の取り組みに伴う偶然の副作用ではなく、メインイベントといえる。シリコンバレー銀行(SVB)をはじめとする一連の地銀破綻はある意味、サプライズではない。CrunchComing?Whenbankstightenstandards,acreditsqueezefollowsSource:FederalReserve 銀行破綻は与信抑制で金利上昇の効果を増幅させる。 銀行システムのストレスも増大する傾向にある。 3日に記者会見したパウエル議長は、ファースト・リパブリック・バンクの問題解決が銀行部門の混乱収拾に向けた「重要な一歩」になるとの認識を示した。 イエレン米財務長官は5月1日にも使い切る可能性があると米議員らに伝えた。MarketsSeeaBiggerRiskofUSDefaultThisTimeSource:CME 成長率が低下し始めても、根強いインフレで米金融当局の対応の余地は限られる。 3月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年同月比5%上昇と、昨年夏の9%超のピークから大きく伸びが鈍化した。実際はもっと悪い状況になる恐れもある。 そのようなシナリオでは、カリフォルニア州と南部は暴風雨と洪水に襲われ、食料とエネルギー生産に打撃が及ぶ。 もちろん、軟着陸も不可能ではなく、前向きな兆候も幾つかある。 ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、オリビエ・ブランシャール氏はこれとは反対の立場を取り、引き続き失業率悪化を見込むとしている。その一つは、打撃を受ける産業が次から次に移行するが、経済全体としては縮小しない「ローリング・リセッション」というものだ。心地よいものでないかもしれないが、完全なリセッションは回避することを意味する。ただし、過去数年の教訓を基に割り引いて考えれば、それほど確実ではないかもしれない。もっと悪い事態の場合、インフレ率を目標に押し下げの効果は限定的で、大きな時差も伴った。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 米スタグフレーションの恐れ-信用逼迫と債務上限問題、気象状況で