植田日銀はYCC見直しを、短期的にショックでも-中尾前ADB総裁
記事を要約すると以下のとおり。
元財務官で前アジア開発銀行(ADB)総裁の中尾武彦氏は、日本銀行の金融政策運営について、欧米の金融政策や金融不安の動向を見極めつつ、短期的に混乱が生じてもイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)を見直すべきだと主張した。見直す際には「欧米の金融政策と金融セクターの安定にも留意しなければならない」とも述べた。 中尾氏はYCCの見直しについて、「世界的な金融市場への不安がある中で、インフレ鈍化などで欧米の金利上昇ペースが緩やかになった場合には、「YCCを見直したとしても長期金利が跳ねにくくなり、やりやすくなる部分もあるとみる。」「世界的に、中央銀行の金融政策に過度の期待があったのではないか。」その理由として、「日本の銀行の数は限られているため、より緻密な監督を受けており、全体的に保守的に運営されていて、預金にも粘着性、安定性があることを挙げた。」さらに、各国中銀はドルの流動性供給の拡充で協調することに合意した。預金保険制度の上限を超える預金保護は「一般国民からすると金持ち優遇という批判を免れない」とし、適切な金融規制や監督の在り方も含めて、G7やG20の議題になるとみている。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 植田日銀はYCC見直しを、短期的にショックでも-中尾前ADB総裁