植田日銀が始動、物価目標実現と緩和修正へ問われる手腕-今夜会見
記事を要約すると以下のとおり。
日本銀行で戦後初の学者出身となる植田和男総裁が9日に就任し、新生日銀がスタートした。植田氏は、持続的な物価2%が困難な状況下での副作用軽減と緩和継続という方向性の異なる政策判断を「誤らないようにすることが私の最大の使命だ」と語った。植田新総裁の当面の政策課題は、金融政策の取り扱いだ。植田氏は、所信聴取で理想の金融政策について聞かれ、そう答えた。景気の下押し圧力が意識されている現状では、拙速な政策判断は回避されるとの見方が多い。 植田氏は所信聴取でYCC修正の具体策について、日銀は23年度半ばにかけて伸びが縮小し、2%を割り込むと見込んでいる。持続的な物価2%の実現には、価格転嫁の内容が現在の原材料コスト高から賃金上昇に代わることが不可欠となる。 帝国データバンクが2月に実施した企業アンケート調査によると、企業の約4割(39.6%)が今後1年程度の間に金融緩和の縮小を企業が期待するのは極めて異例だ。 昨秋にかけての急激な円安進行は、YCC堅持に対する世論の目は厳しい。理論の限界も理解 関東学院大学経済学部の中泉拓也教授は、普通の文章を読み解き、すぐに問題点を指摘し、学生らを感心させたと語る。 中泉氏は植田氏について「経済見通しも非常にでき、経済理論もしっかり分かっている極めてまれなエコノミストだ」とした上で、「理論を理解しつつ限界があることも理解している。 東京大学の同級生時代から半世紀に及ぶ付き合いだ。経済に関する見識だけでなく、実務処理能力にも感銘を受けたと振り返る。
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