植田日銀が多角的レビュー着手、政策金利指針を廃止-YCC維持
記事を要約すると以下のとおり。
日本銀行は28日の金融政策決定会合で、1年から1年半程度の時間をかけて多角的なレビューを行うことを決めた。 発表文では、日本経済が「デフレに陥った1990年代後半以降、25年間という長きにわたって、物価安定の実現が課題となってきた」と指摘。 米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は、長期的視点に立った政策検証をここ数年の間に行っている。植田和男日銀総裁(4月10日)Photographer:KimKyung-Hoon/Reuters/Bloomberg YCC政策の運営では、短期金利にマイナス0.1%を適用し、長期金利(10年物国債金利)はゼロ%程度に据え置いた。引き続き企業の資金繰りや金融市場の安定維持に努め、必要なら「躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じる」方針は維持した。 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、「黒田路線を取りあえずは踏襲することを示した。」 東京外国為替市場では買いが優勢となり、新発10年債利回りは低下。展望リポート)で初めて示した25年度は下振れリスクの方が大きいが、25年度の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の前年度比上昇率の見通しは1.6%と、目標の2%に届かない姿となった。基調的な物価の動きに影響する需給ギャップは足元で小幅のマイナスになっているが、「今年度半ばごろにはプラスに転じ、見通し期間終盤にかけてプラス幅を緩やかに拡大していくと予想した。」植田総裁は「インフレの基調が上がってきていると日銀が判断していると見せることにより、今後YCCの修正であろうがマイナス金利の修正であろうが、全く想定していないわけではないことを今回アピールした」とみている。 ブルームバーグのエコノミスト調査では、9割弱が今回会合での現状維持を予想していた。23年度から25年度のコアCPI上昇率の予想中央値はいずれも1.8%だった。社債は感染症拡大前の水準(約3兆円)へと徐々に戻していく。
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