日本が世界の投資家の不安の中心に変貌-投資家は再評価迫られる
記事を要約すると以下のとおり。
わずか1週間足らずの間に、日本は市場と経済に対する世界の期待を完全に覆してしまった。トレーダーや投資家は、円安が続き金利が急上昇することはないというマクロ的見通しに基づく戦略を放棄せざるを得なくなった。 日本市場のボラティリティー急上昇の中、日経平均株価は5日に1987年以来の暴落に見舞われ、翌日には10%回復した。 円相場は急上昇していたが、投資家の混乱にさらに拍車をかけるように、日銀の内田真一副総裁が市場が不安定な間は利上げを見送ると発言したことで8月7日には2%ほど円安に振れた。 アナリストによれば、この歴史的な暴落は、円安と日本株の上昇から利益を上げていた市場戦略の一つである円を調達通貨としたキャリートレードを頓挫させた。 ブラックロックのグローバルチーフ投資ストラテジスト、ウェイ・リー氏は「今回の特大の反応を、キャリートレードが急速に解消された過去の事例と比較すると、日本では景気後退への懸念以上のことが起きており、それが世界的影響をもたらす可能性があることが示唆される」と分析した。 ロンドンを本拠にに日本を中心としたアジア企業の調査を行っているペラム・スミザーズ・アソシエイツのぺラム・スミザーズ氏は、「トップダウンではなく、ボトムアップのファンダメンタルズ分析に適した市場だと思う。」クレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは、日銀と政府の関係は「悪化するのではないかと思う」と述べ、来月の自民党総裁選挙での岸田文雄首相の再選にも影響するとの見方を示した。 「日銀は常に、金融緩和の解除が非常に困難なものになることを知っていたとし、それを踏まえると「日銀は非常に賢くやっていると思う」と述べた。 ジェフリーズの株式アナリスト、アツール・ゴヤール氏は「このチャンスはまたとないものだ。」 日銀の行動とそれに伴う市場の混乱が生み出した新たな環境の中で機会を探すに当たり、投資家は日本について自分が知っていると思っていたことを再評価しなければならないというのが大方の意見だ。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 日本が世界の投資家の不安の中心に変貌-投資家は再評価迫られる