円相場の下支えに苦慮する日本の通貨当局、薄れつつある介入効果

日本の通貨当局が先週、連日で実施したとみられる為替介入は、その効果を低下させることなく、トレーダーを警戒させ続けるように動くタイミングの難しさを浮き彫りにした。
　日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）を今月末に控えて時間稼ぎを模索する中、投機的な動きを阻止するために新たな手法を必要とする神田真人財務官は難しい状況に置かれている。
政府・日銀、12日に2.1兆円の円買い介入実施した可能性－2日連続　　日本の政策当局は、経済における健全なインフレの定着という目標と、物価高や国内の不満を増幅させる円安を阻止する必要性とのバランスを取るという主要な課題となお格闘している。
日銀は円安是正のため利上げを予想していないが、利上げが行われない場合は円相場が再び下落する可能性がある。
国債買い入れの減額幅が市場の見方よりも積極的なら、円の下支えとなるかもしれない。
　シンガポールを拠点とするサクソ・キャピタル・マーケッツのマーケットストラテジスト、チャルー・チャナナ氏は、日銀が市場の期待を裏切って円高圧力は続く可能性は低いとみている。
　それでもエコノミストの中には、介入効果の低下が日銀に行動を促すきっかけになり得ると見る向きもある。