ヘッジファンド、SEC委員長と闘う最強の武器はテキサス州の住所
記事を要約すると以下のとおり。
米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長のような規制当局者と闘うヘッジファンドにとって最強の武器は、もはや名門大学卒の弁護士でも舌鋒(ぜっぽう)鋭いロビイストでもなく、テキサス州の住所だ。NAPFMはヘッジファンドやプライベートエクイティー投資会社に、金融界で最も重要な場所の一つへのアクセスを提供しているのである。 この戦略にウォール街も参加し、バイデン政権時代にNAPFMのような業界団体がこの地域に次々に誕生した。3月に提出された裁判所文書からミレニアム・マネジメントとHBKキャピタル・マネジメントの関係者が幹部であることが分かったのは数少ない例外だ。 ニューオーリンズの高裁の判断は、一般的にはルイジアナ州、ミシシッピ州の裁判所にとってのみ拘束力のある判例となる。 判事らは、SECがこの規則を採用したのは「法的権限を逸脱している」との判断を下した。 パリッシュ氏はまた、一つの意見に重きを置き過ぎないよう注意を促し、「この種のシグナルかもしれないと考えるのは簡単だが、このようなケースはほとんどの場合、特定の事実と特定の関連法に左右されると説明した。」一般に、訴訟は下級裁判所から始まるが、SECのような政府機関の規則が関係する場合は直接、高等裁判所レベルで争われることも多い。 NAPFMは2022年4月、ダラスの会社を登録代理人とした非営利団体として登録し、テキサス州と深いつながりを持ち、世界中の金融センターに拠点を持つ。 オースティンの州議会議事堂のドームの写真と米国旗とテキサス州旗で飾られたそのホームページには、「当協会はとりわけ、会員に教育を提供し、政府や法廷において会員の法的・経済的利益を代表するために設立されたと書かれている。」ミレニアム、HBK両社はNAPFMの所在地が理由だと記されている。MFA、AIC、AIMAもコメントを控えた。トランプ前大統領の任命 ニューオーリンズの高裁にはリベラル寄りの判事もいるが、全体として連邦規制の拡大に懐疑的な判事が多い。その構成は毎回多少ランダムではあるが、少なくとも1人はトランプ氏が任命した判事となる可能性が高い。SECでゲンスラー委員長の最初の法務顧問を務めたコーツ氏によれば、同委員長以前に比べ規制当局のルールに異議を唱える企業が増えている。 6月の裁判所判断についてニューヨークで法律事務所リンクレーターズの米国金融規制グループを率いるブラッド・キャスウェル弁護士は「これが最初ではないし、これが最後でもないだろう」と話した。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース ヘッジファンド、SEC委員長と闘う最強の武器はテキサス州の住所