バイデン大統領に生活費高騰の呪縛、有権者に好景気や株高は二の次
記事を要約すると以下のとおり。
米株式市場は活況を呈し、史上最高値をしばしば更新している。この中には、事実ではないと検証できるものもある。世論調査が実施された時点では、S&P500種は年初来で約12%上昇し、過去12カ月間では29%近く上昇していた。このような否定的な見方は、リスクを取ることを躊躇(ちゅうちょ)させ、リセッション(景気後退)のリスクを高める。 政治的な二極化によって、国民の多くはバイデン大統領の下では最悪の事態しか目にしないと決めてかかっている。バイデン大統領(2023年のミルウォーキーのイベントで)Photographer:ChristopherDilts/Bloomberg しかし、二極化だけではこれを説明できない。その結果、生活必需品コストは短期的なスパンではここ数十年で最大の上昇に見舞われた。インフレ率が経済の大部分で正常値に戻ったというのは詭弁(きべん)ではない。しかし、だからといって物価が以前の水準に下がったわけではない。インフレ率は変化率で表されるが、私たちの多くにとってより重要なのは、現在進行形で物価水準が上昇していることだ。 食品とエネルギーの価格が重要であることを否定するものだと広く批判されている。食品とエネルギーは変動しやすく、金融政策の手の届かないところにあるため、除外されている。現在、食品とエネルギーの価格は下落傾向にある。 しかし、コアインフレに対する怒りは、問題の核心に迫っている。 ストラテガス・リサーチ・パートナーズのジェイソン・デセナ・トレンナート氏は、食料品やエネルギー、住居、衣料品、光熱費、保険など、人々が定期的に購入しなければならない品目からなる庶民インフレ指数を作成した。庶民CPIはバイデン政権下の40カ月で総合インフレ率を上回った。この指標は何十年も安定していたが、2021年に突然急上昇した。この上昇基調は22年の夏には終わり、アンチコアのインフレはわずかながらマイナスに転じたが、価格は21年よりもまだ25%余り高い。これより高いのは1980年だけだった。過去にインフレに見舞われた際、人々はそのような物価上昇の波を乗り越えてきたため、このことを知っていた。消費者は必需品の価格が下がらないという記憶もない。クック・ポリティカル・リポートが激戦州7州で実施した世論調査によると、景気を測るのに最も重要なものとして株式相場を挙げた回答者は13%に上った。 政治家や中央銀行が最も明白な手段を使って補助金を出す以外、大統領に対処する方策はほとんどない。 さらに皮肉なことに、食料品とエネルギー価格は上昇が止まっている。だが、バイデン政権下で生活費がずっと高くなったという事実に変わりはなく、多くの有権者はそのことで大統領を判断するだろう。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース バイデン大統領に生活費高騰の呪縛、有権者に好景気や株高は二の次