ディールメーカーの冬、上期案件は前年比１兆ドル減－銀行は人員削減

今年1－6月（上期）のＭ＆Ａ（企業の合併・買収）と新規株式公開（ＩＰＯ）を合わせた額は前年同期から約1兆ドル（約144兆6000億円）減少した。
ウォール街では既に、ボーナスと人員の削減が始まっている。
DealVolumesatLevelsSimilartoStartofPandemicSource:BloombergDatacover1Hperiods;2023dataisthroughJune27　　ブルームバーグがまとめたデータによると、上期の取引高は前年比42％減の1兆3000億ドルと、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年の上期を除くと、この10年で最小で、同期間の平均を下回っている。
政府介入が増え、企業買収が複雑化しているためだ。
米ＦＴＣ、マイクロソフトのアクティビジョン買収で差し止め求める　　ＩＰＯも低調だ。
　重しとなっているのはＭ＆Ａの場合とほぼ同じで、世界的な景気減速への懸念と価格についての企業と投資家が慎重なのはこのためだが、市場は景気後退をきちんと織り込んでいないと指摘した。
　ドイツのウェブホストグループ、イオノスやイタリアのカジノ運営会社ロトマティカ・グループなど今年に入って注目度が高かった一部ＩＰＯ銘柄の低パフォーマンスも悪材料だ。
「24年の取引に向けた準備が再始動し始めているが、上場する企業はバリュエーションについて合理的にならなくてはならない」と話した。
　また、中東の資金豊富な政府系ファンド（ＳＷＦ）は自国の最大手企業を育てたり地域の影響力を高めたりするために積極的に世界で買収先を探している。
ラザードのようにＭ＆Ａを専門とする企業もチームを縮小している。
　グローバル人材紹介会社メイブン・サーチのパートナー、ジェネビーブ・フレイザー氏は「多くの人が再就職に際してブランドや報酬の面で何らかの格下げを余儀なくされるだろう」と指摘した。