【コラム】FRBは変動性寄与から安定化寄与に変身を-エラリアン
記事を要約すると以下のとおり。
米国債市場が安定性を増すことは、金融市場全体の円滑な機能に不可欠なだけでなく、住宅や経済において必要なことだ。現段階のアンカーは必然的に金融政策の要素が大きくなる。 20日に公表された連邦準備制度理事会(FRB)の金融安定報告は、米国債利回りは家計や企業、政府の貸借金利を左右するベンチマークとして機能する。住宅ローン金利に影響し、住宅市場の関数となっている。具体的には成長見通しが不透明で、大幅な財政赤字と積み上がる返済コストに起因する著しい供給増を前に、国債を容易に買ってもらえるのかという純然たる疑問がある。 しかし残念なことに、ここ数年のFRBによる意思伝達は安定性よりもむしろ不安定性を与える傾向にある。そして再び方向を変えてしまった。しかし、ここでも安心はできない。 一方で突然の利回り下振れは債券で大きく損を出した投資家に、より有利な水準でのエクスポージャー縮小を誘う。残念なことに、それが経済見通しの透明化によってもたらされることはないだろう。FRBは最低でも3つの取り組みが必要だ。一つは、政策のフォワードガイダンスにおいて過去を振り返るデータへの過剰依存をやめ、より明確に描かれた経済的ビジョンとデータ依存を組み合わせること。現在および予想される環境において、インフレ目標は2%より3%に近いと考えられる。その役割は基本的に、FRBが抱える2つの責務と金融安定を促進する責任にかなうものだからだ。
[紹介元] ブルームバーグ マーケットニュース 【コラム】FRBは変動性寄与から安定化寄与に変身を-エラリアン