身銭切る幹部、PEファンドに投資家が要求-個人資産担保に借り入れ
記事を要約すると以下のとおり。
世界中のプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社は長年にわたり、投資を望む見込み客に対して強い立場にあった。 投資家からの一連の要求で最新のものはこうだ。将来の管理手数料収入や他のファンドの持ち分といった伝統的な担保だけでなく、自宅やその他の貴重品も担保になっている。 資金を調達するため、一部の幹部は10%台半ばから後半の高金利のローンを組んでおり、別荘や車、セカンドビジネス、美術品コレクションなどを担保にしている。 PE業界がより多くの資本を必要とするため、アレス・マネジメント、オークツリー・キャピタル・マネジメント傘下の17キャピタル、ペンバートン・アセット・マネジメントなどのプライベートクレジットの貸し手も、貸付資金をすでに調達、もしくは調達しつつある。岩盤のような低金利が前例のない利益の流れを促し、投資家は、出資者への資金還元に苦慮。 この要求は、超低金利時代の終焉(しゅうえん)以降に8兆ドル(約1237兆円)規模のPEファンド市場に生じたパワーシフトの最新の兆候だ。しかし、そのためのローンの金利は決して低くないため、要求額には注意しなければならない。 投資家は、それが意味のある金額でない限り、本当の連携ではないと主張することができるとプライベート市場に投資するパンテオンのパートナー、イモジェン・リチャーズ氏は言う。その場合、貸し手はプライベートウェルスバンクになる傾向がある。こうした貸し手は高めの金利を課し、個人資産や不動産などより多くの担保を要求する。 17キャピタルのシニアマネジングディレクター、スティーブン・クイン氏は「PEファンドで流動性不足に直面しているのはリミテッドパートナーだと誰もが思い込んでいるが、PE会社の経営陣レベルでも流動性不足が起きている」と言う。 バリダス・リスク・マネジメントのファンドファイナンス助言責任者、ジャンルカ・ロレンゾン氏によれば、自宅や車などの個人資産は、運用者の他ファンドの持ち分や将来の収入に比べて、貸し手にとって価値が分かりやすい場合が多いという。 「今、銀行が求めているのは、できる限り多くのもの、つまり、運用者の個人資金と住宅のような資産、PEファンドの運用からの手数料収入をミックスしたものだという。」 もう一つの借り入れ方法であるネット・アセット・バリュー(NAV=純資産価値)ファイナンスは、PE投資会社が保有するポートフォリオ企業を担保とし、投資家に資金を還元するために利用されてきたが、この資金調達は今後さらにリターンを希薄化させる可能性が高いと批判されている。
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